カテゴリー「掻き落とし・ブラッシング」の記事

2015.11.14

左官の仕事~ 巾木ブラッシング仕上げ

建物の基礎巾木にこだわる人は多くないですよね。

コンクリート打ち放しのままで、その上に何も施工しない事も少なくありません。

左官仕上げで施工といっても 《モルタル》 か 《薄塗り補修》 で、 “金鏝仕上げ” か “刷毛引き仕上げ” といったところでしょうか。

巾木は脇役であり、施工の選択肢が非常に少ない場所と言えます。


たしかに巾木で目立つ仕上げをしてしまうと建物全体のバランスを崩しかねません。

しかし、主役(外壁や外構)を引き立てる脇役として、左官の仕上げが モルタル や 薄塗り補修 では少し寂しい気がしますよね。


そこでお勧めなのが、 【 巾木ブラッシング仕上げ 】 です。


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巾木ブラッシング仕上げ は 《洗い出し仕上げ》のように石の美しさを前面に出す仕上げではなく、 目立ちすぎず、主張しすぎず、だけど良く見たら砂利の存在感があり、さりげない風合いを醸し出す仕上げ なのですよ。

何より、建物の外観を引き立たせてくれます。


これこそ、 脇役の本当の役目 ではないでしょうか。


砂利の組み合わせ、ペーストの色を工夫すれば、オリジナルな仕上げも可能です。

また、ブラッシングの タイミング や使う道具 によっても表情が変わるので、まだまだ可能性を秘めた仕上げだと思いますよ。


「 目立たない場所こそ、こだわりたい! 」 と思われる人にはお勧めの左官仕上げであります。


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2012.04.20

左官の仕事~ ドイツ壁

古い洋館の外壁でたまに見かけるのが “ モルタル掃き付け仕上げ ” 、別名 【 ドイツ壁 】 です。

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凸凹の何とも味わい深い塗り壁仕上げですが、以外と歴史が古いのですよ。
大正末期に大流行した塗り壁仕上げらしいのですが、近年では滅多に見かけない仕上げですね。私自身は施工経験がないのですが、経験者からお聞きした施工方法を簡単に説明すると以下の通りです。

《 モルタルを塗り付ける → 鏝板にモルタルを乗せる → 鏝板の上から壁に向かってササラでモルタルを掃き付ける 》

モルタルを掃き付ける際、出来るだけ面白みのある模様を作る為に手加減をしながら掃き付け量を調整するのがコツだと聞きました。掃き付ける ササラ は、竹を20センチ前後に切って、それを幅3ミリ以下で切り揃え、束ねたモノ(直径3センチ前後)を使います。


生コンクリートが普及してなかった昔は洋館を 【 ドイツ壁 】 で仕上げる場合、 《 堅瓦壁下地 》 の上に施工するケースも少なくなかったと聞きました。

《 堅瓦壁下地 》 とは 木ズリ の上に 平瓦(表面に節目があるモノ) を 麻を巻き付けた釘 で留めて、モルタルで中塗りをしたモノとの事です。
相当に頑丈な下地壁らしく、重量もあるので構造自体もかなりしっかりしたモノが必要だったのではと推測できます。

大正末期から昭和初期まで は 《 堅瓦壁下地 》 の上に 【 ドイツ壁 】 で仕上げるのが流行っていたみたいですが、現在では日本全国捜しても数カ所の古い洋館しか現存してないと言われ、実際に施工する機会が殆どない 《 堅瓦壁下地 》 は非常にレアで絶滅寸前の左官工法となっております。

時代の流れとはいえ寂しいですね。

この 《 堅瓦壁下地 》 を聞いた事がある左官屋さんは非常に少ない と思います。
実際に施工する機会はないかもしれませんが、大昔にこのような左官工法があった事を伝えていきたいモノですね。


【 ドイツ壁 】 と呼んで良いのか分かりませんが、某テーマパークの洞窟では モルタルで掃き付けた仕上げ(モルタルの吹き付け???)が施工されております。
洞窟内の荒々しい表情を見て、 まだまだ可能性を感じさせてくれる仕上げ だと感じました。

古いけど新しい仕上げ、 【 ドイツ壁 】 の可能性を引き出せるよう、私達左官屋も研究しなければなりませんね。

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2012.04.15

左官の仕事~ モルタル 掻き落とし

今回は 【 モルタル 掻き落とし 】 についてです。


【 モルタル 掻き落とし 】 は別名 “ リシン掻き落とし ” とも呼ばれる仕上げです。
施工法は、白セメントもしくは着色セメントに消石灰と骨材を混入して作った材料を塗り付け、タイミングを見計らって掻き落とし器(剣山のような道具)かワイヤーブラシを使って粗面に仕上げます。
セメントペーストの色 、 骨材の色と大きさ 、 掻き落とし方法 などによって様々な表情が出せる為、 左官屋の個性が出しやすく、施主や設計士の要望も聞く事により 世界でただ一つの壁を作る事も可能 です。

この仕上げの特徴の一つが、 経年変化を楽しめる と言う事でしょうか。
仕上げた当時は新しくて綺麗ですが、 経年と共に滲み出てくる渋味も魅力の一つ であります。
もちろん、価値観の違いでこの渋味を「 汚い! 」 と思う人も居られるかもしれませんが・・・

洋風な住宅でよく施工されている樹脂系の塗り壁材料 などは塗り立ての状態が一番綺麗ですよね。
しかし、もって数年ヘタをすれば半年で黒ズミやカビなどで汚らしい壁に・・・
この状態を見て 「味がある!」 と言える人は少ないと思います。
悲しいかな、このような工業製品の塗り壁材料は 塗り替える事を前提に作られている のかもしれませんね。

それと比べると、この 【 モルタルの掻き落とし 】 は一度施工すれば、 “当分” 塗り替えはしなくて済みそうです。
控えめに “当分” と書きましたが、私の中では 《 メンテナンスフリー 》 に限りなく近い塗り壁 だと思っております。
その為には庇の大きさ等、建物の構造も重要ではありますが・・・
外壁で施工する前には必ず下地と建具廻りの防水をしっかり処理する事が重要ですね。
しっかりとした処理をするのには、手間暇を掛けねばなりません。

左官の塗り壁全般に言える事ですが、誰もが目に付く仕上げ部分はもちろんですが、 目に付かない下地部分こそ非常に重要 なのですよ。
しっかりと手間暇掛けて作った壁は長い期間、その美しさと経年変化を楽しめるかと思います。

若い頃に建てた家の木材が経年により色が変化して美しくなってゆく。

壁の色もゆっくりと変化をしていく。

施主も年を取り、家と共に渋味を増していく。

素敵だと思いませんか?

そんな家造りにピッタリ合う仕上げが、 【 モルタルの掻き落とし 】 ではないでしょうか。
もっと多くの人達に採用してもらいたい左官仕上げのひとつであります。

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2010.07.18

掻き落としのサンプル

土岐の外壁で使う 掻き落とし仕上げ のサンプルを作りました。happy01

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使う道具も 掻き落とし器 と ワイヤーブラシ では表情が微妙に違うので、上手く使い分けていきたいです。ok

ベースの色に関しては、骨材の表情と色を最大限に見えるよう、これ以上の着色は基本的に考えておりません。
掻き落としに関しては、骨材の色と表情を押し出していくのが私流のやり方です。
着色によって素材の良さが失われる可能性がある ので、その辺を設計士さんやお施主様に伝えてみるつもりです。
どうしても着色するように依頼されたら、その時また考えます。sweat01

常に頭を柔らかくしておいて、何かあっても臨機応変に対応しますよ~notes

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2010.07.17

ル・デコール・ライムストーン

ADVAN ” というメーカーの塗り壁材料を 二分押さえ と 掻き落とし の二通りで仕上げた時の写真です。

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材料は支給だったのですが、材料費が高くてなかなか材工ではやる勇気がありません。down
これに限らずメーカー品を使うよりも自己調合で作ったほうが安くて素敵な塗り壁を創れる気が・・・sweat01

ウチでは基本的にメーカー製の既調合品よりも 自己調合品 を研究しながら使っていくつもりです。good
とてつもなく奥は深いけど、それを追求する楽しさがあります。note

諦めずに試験施工を重ねていきますよ~dash

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2010.06.11

ブラッシング仕上げ

色モルタルをワイヤーブラシで荒々しく仕上げた ブラッシング仕上げ です。scissors

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店舗工事向きの仕上げで住宅工事では滅多にやりません。sweat02

白セメントと顔料、そして骨材を配合した 色モルタル を塗り付け、 ワイヤーブラシで表情を整えるだけの単純な仕上げ ですが、ワイヤーブラシの “さじ加減” によって、大人しくも荒々しくも出来ます。clear

アイデア次第でまだまだ可能性を秘めた仕上げかと思いますので、まだまだ研究せねば・・・ dash

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2010.05.28

ドライウォッシュ仕上げ

住宅外部の基礎巾木は通常、 薄塗り補修モルタル仕上げ かと思いますが、ウチでは ドライウォッシュ (ブラッシング仕上げ) をお勧めしております。

名前の通り、 水を使わない 洗い出し仕上げ といったところでしょうか・・・

この仕上げも 経年変化と共に味わい深くなる左官仕上げの一つ だと思います。


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基礎巾木は外から目に付く場所の割りには、仕上げに力を入れている家が少ないのではないでしょうか?

少しの値段の違いで家全体のグレードを上げてくるので、目先の金額だけじゃなく長い目で考えていただけると嬉しいです。


この工法を開発された 兵庫県の左官屋・品川さん に電話で色々とご指導いただき、後日お会いして コツ を伝授していただきました。
お陰様でレパートリーも増えてきており、大変感謝しております。
m(_ _)m

これからも色々な工法にチャレンジしつつ、私も情報提供できるように試行錯誤を重ねてレベルアップしていきたいです。dash

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2010.05.17

色モルタルの掻き落とし(かき落とし)

ウチでは外壁が塗り壁の場合、色モルタルの 掻き落とし仕上げ (かきおとし) をよく施工します。

この壁の良さは 経年変化 と共に味が出てくる事です。

決してサイディングなどでは味わえない雰囲気を醸し出してくれますね。


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かき落とし仕上げ は骨材と顔料の組み合わせ次第で、他にもバリエーションが無限に出来るので、その人その人の好みに合わせた表情で仕上げる事が出来ます。

これからも外壁は 掻き落とし仕上げ をドンドン提案させていただきますよ~ dash

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